鍼灸は、一般に「はり・きゅう」または「しんきゅう」と呼ばれています。東洋医学或いは漢方医学の一分野と して中国に起源をもつ我が国の伝統的医療であります。鍼灸は金属の細い針を経穴(ツボ)に刺入し、或いは艾 (もぐさ)を燃焼させて経穴(ツボ)に刺激を加え病気を治そうとする施術です。鍼灸医学は、日本には6世紀の初 め飛鳥時代に伝えられた。 鍼治療 きわめて細いステンレス製の鍼(長さ約40mm〜80mm、太さ直径0.17mm〜0.33mm)を経穴(ツボ)に 刺入します。経穴(ツボ)に刺入した鍼は一定の刺激(鍼を上下したり回旋、振動させたりします。)を加え 直ぐに抜く方法と10〜15分間置いておく場合があります。また、刺入した鍼に、微弱な低周波パルス通電を する場合もあり痛みや筋肉のこり、血液循環の促進に効果があります。 灸治療 艾(もぐさ)を用いて経穴(ツボ)に熱刺激を加える方法で一般的に「やいと、お灸」と言われております。そ の方法は、艾を直接皮膚上に乗せて着火させる直接灸と艾と皮膚の間を空けて行う間接灸とに大別されます。 鍼灸の適応例 WHO(世界保健機関)で鍼灸療法の有効性を認めた病気には、次ぎのものを挙げています。 【運動器系疾患】 関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症 (骨折、打撲、むちうち、捻挫) 【神経系疾患】 神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症 ノイローゼ・ヒステリー 【循環器系疾患】 心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ 【呼吸器系疾患】 気管支炎・喘息・風邪および予防 【消化器系疾患】 胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎 胃十二指腸潰瘍・痔疾 【代謝内分秘系疾患】 バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血 【生殖、泌尿器系疾患】 膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎 【婦人科系疾患】 更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊 【耳鼻咽喉科系疾患】 中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎 【眼科系疾患】 眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい 【小児科疾患】 小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息 アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善 禁忌症状 ・急性伝染病・急性腹症・重篤な心疾患・悪性腫瘍・血友病・壊血病・紫斑病・免疫不全症・肺炎など高熱を 発する疾患・血圧が著しく高い時あるいは低い時・酩酊時・精神異常時・その他重篤な状態にある時 |